1-4 これまでの「思い込み」は通用しない
通用しない「思い込み」 その①
「センター試験」は、基本的な問題が中心で……というのは過去の話。確かに十数年以上前の問題は、それほど難しくありませんでした。
しかし、今は、違います。制限時間のことも考慮にいれると、かなり難化しており、かといって、平均点が極端に低いわけではありません。
多くの受験生がセンター試験の段階で、第一志望大学をあきらめてしまうのが、現状なのです。
センター試験くらいは、 マークだからなんとかなる、なんてことはありません。過去間題集を買ってきて、今年か昨年の問題を解いてみてください。そして、解説を読んでみてください。
すんなりと進みますか?
十数年前の問題ならいざ知らず、最近の問題は難しいことが分かるはずです。
現代文だって、古文、漢文だって。ちょっと勉強すれば、高得点を簡単にあげられるようなレベルの問題ではないことが分かるでしょう。
通用しない「思い込み」 その②
受験生は、「努力に逃げる」傾向があります。
「オレはこんなに頑張っている」とただひたすら勉強し、アピールする。
しかし、受験生が努力することは当たり前です。120%努力しなければ、国公立大・難関私立大受験は、勝ち抜けないのです。
もっとも、少子化に伴って、それほど努力することなしに、入学できる大学も、増加しつつあります。しかし、この本を読んでいる受験生は、恐らく国公立大学や、難関私立大学、さらに、最近人気の医療系の大学を第一志望としているでしょう。
ある一定以上のレベルの人たちの中だけの競争なのです。しかも、その多くは、大学受験を真剣に考え、一生懸命頑張っているのです。
難関大受験生は、けっして「努力」という言葉や、得意分野の勉強だけに逃げてはいけません。
どうやって勉強するか、といった「大学受験の戦略を立てること」は、学校のテスト勉強をすることに比べ3倍大変。しかし、いったん大学受験の戦略のために頭を使えば、その後は3倍楽になります。
とりあえず受験科目は、たくさんやっておいたほうがいい
通用しない「思い込み」 その③
理系だから、数学ⅢCも、物理も、化学も、生物も、世界史も、日本史も、……。
文系だけど、数学ⅡBも、日本史も、世界史も、物理も、化学も、生物も……。
「出来るだけ、たくさん科日の勉強をしておいたほうが、実際センター試験を受けて点数のいいほうを選べるので有利。」
これは、果たして本当でしょうか?
それは、理想です。
たしかに、それは、本当ではありますが、現実的ではありません。
大学受験の戦略を立てることにおいて重要なことは、「実行可能で、現実的な計画」を立てることです。
現実に考えてみると答えは明快です。
はっきりいって、受験科目は絞るに越したことはありません。
でも、学校の先生は、「たとえ受験に関係なくても、将来役に立つから。」「大学に入ってから必要になるから。」
といっている。
そう、確かにそのとおりなのです。
でも、それは理想です。
まず、優先順位をハッキリさせることです。
第一優先順位は何か?
「第一志望大学に合格すること」
そう。
そのために「今」、とにかく、真っ先にやらなくてはいけないことは何か?考えなければなりません。
だれでも、「やりなさい」というのはカンタンです。
でも、それを実行していくのが難しいのです。
「この単元もやったほうがいいですか?」と先生に聞きに行けば、
「この単元もやったほうがいいよ。」
誰もが、こういいます。
しかし、それほど簡単に実行することは、できません。現実的に考えることが重要です。
受験科日に関係のない科目を、「教養」としてのんびりと勉強している余裕のある人は、そうそういないはず。
今すぐ、その勉強時間を、受験に関係のある科目に当てるべきなのです。
「でも、受験に関係ないからといって、関係ない科目を、全くやらないというのも、極端すぎないか?受験に関係なくたって、大学に入ってからや、将来、教養として役に立つはずだろうし……」
確かにそのとおりです。でも、それは、理想です。
多くの受験生が、それほど、時間的な余裕はないはずです。
そこまで言うのなら、大学合格通知を受け取った3月。そのとき、是非、受験に関係のない科日も、「教養」として勉強すればいいのでは?
まずは、合格することが先です。そのために必要なことを優先的にやっていく。それが大切なのです。