1-1 勉強はしている。がんばっている。

第1章 成績を大幅にアップさせるには

 

1-1 勉強はしている。がんばっている。

でも、なぜ、成績が上がらないのか?

 

成績を上げたいがために、ただがむしゃらに勉強している人がたくさんいます。進学校に通っていて、毎日毎日宿題が山積み。日の前の問題をただこなすだけで、精一杯。でも、勉強しても、勉強しても成績が上がらない。努力していないのなら、納得できるけれど、努力しているのに、成績は上がらない。努力すればするほど、何をこなせばいいのか、ますますわからなくなる。

 

さらに、書店に並ぶさまざまな参考書、各予備校からの勧誘、広告、学校の先生や、友人たち、先輩から入ってくるさまざまな情報。情報が多すぎて頭の中が混乱状態。あなたは、やる気はあっても、何をどうやればいいのかわからない。

ただがむしゃらに、まじめに勉強すれば難関大学に受かる、という時代は終わっているのです。

 

勉強をすればするだけ比例して成績が上がっていくのであれば、問題ありません。しかし、今のままでは、受験まで間に合わないのではないか。なにか新しい方法を取り入れないと先はない、と感じているとすれば、これから、私がお話することは、必ず役に立ちます。

 

この情報氾濫の時代は、正直に勉強している人や、頑張って勉強している人ほど、成績が上がらなくて困っています。

「一生懸命に勉強していれば、必ず報われる」こういった考えは、すでに過去のものとなっているからです。

 

一方、いやというほど模擬試験の成績を上げている人がいます。センター試験の模試で、1か月前は82点だったのが、今回は181点になった(県立F高校Sくん)、とか、「センター試験難しかった……どと嘆いている人が多い中、ニヤリとして、志望校をワンランク上げて出願している人もいる。

 

そうした生徒には、ある共通した特徴があります。

 

その特徴とは、大学受験勉強のための、「効率の良い勉強の方法を知っている」ということです。さらに、「受かることが第一優先」と割り切って、それを素直に実行しているのです。

その方法とは、決して、難しいことではありません。やる気になれば誰にでもできる方法です。

 

私の伝える受験勉強方法は、いったん聞いてしまえば、驚くほど簡潔な方法です。現実的で、それ自体を行うことは、難しいことではありません。

「この参考書もやりなさい。」

「予習してきなさい。」

という、よくある類のものではありません。

むしろ、「予習なんてやっても無駄。それよりも、復習を。」

「あれこれ、多くの参考書に手を出すべきではない。」

という方に近いといえるでしょう。

 

「この方法が、結局は、最も効果がある。」ということを知るだけでも、あなたの受験勉強に関する考え方が大きく変わるでしょう。この方法を知って、実行してきた多くの人が、成績を大幅に上げる状況を、私は、日の前で見てきました。

しかし、この「偏差値を大幅に上げる方法」が「驚くほど簡潔な方法」であるのにもかかわらず、それを実行していない人のほうが多いのは、なぜでしょうか。

それは、大学受験に関する情報があふれ、ホントに必要なことが分からなくなっているからです。「難問ばっかりやっていないと、難関国公立大学には、受からないのではないか?」「東大に受かる人は天才ではないのか?」「自分よりも、数倍の量の問題数をこなしているのではないか?」・・・・・・

 

しかし、これらは、幻想なのです。

確かに、地方の高校から、予備校にも通わず、東大や京大といった難関大学に現役で合格する極めてわずかな人は、天才なのかもしれません。しかし、そういった人は、地方の進学校を例に挙げても、毎年、一人いるかいないかでしょう。

 

小さなときから塾に通い、無駄を一切省き、効率的に勉強できる恵まれた環境で育った人は、どうでしょうか。

東大に毎年、100名以上も合格者を輩出するような都市部の中高一貫高校に通って、無駄を一切省いて、的確な受験勉強をする環境にある人は、そこまで天才ではなくても、合格しているわけです。

 

あなたは、どちらの勉強方法を真似ますか?

 

①分かりずらい参考書、解説のほとんどない問題集、分かりずらい授業でも、東大に合格してしまうような天才(地方の進学校でも、一学年に、毎年一人いるかいないかでしょう)がやっている勉強方法。

 

②的確、効率的な勉強方法で、受験技術を学んでいく。必要なことだけに絞り、偏差値を上げることに集中する。(偏差値を上げるということに抵抗があるかもしれませんが、それくらいでなければ、難関大学に合格することは出来ません。まずは、何を言われようが、偏差値を上げ、第一志望大学に合格する。そして、入学後、偏差値は忘れて、幅広い教養をじっくり身につけましょう。)

 

言うまでもなく、多くの人は、後者ですよね。もちろん、私も、後者の方法でした。

実は、医学部も合め、難関大学に合格している人の多くの勉強法は、恐ろしいほど一致しています。

 

「その勉強方法」を知ったとしても、あまりに単純であるために、実行するまでに、逆に時間がかかってしまう人が多いのも、また、事実です。

 

私は、受験生時代、難問が多く掲載されている月刊誌や、難問を多く合む大手通信添削、そして、予備校の講座といえば、「超難関大向けハイレベル講座」を好んで選択していました。

その一方、私の友人は、難しい問題には手を出さずに、標準レベルの問題が掲載された無名の薄い問題集を何度も何度もやっていました。

「理系のクセして、こんな問題集で大文夫?」

と思っていたのですが、彼は、東大の理Ⅱに合格しました。今は、研究者になっています。

一方、別の友人は、大学入試本番の直前にもかかわらず、「俺、古文の基礎がよくわかっていないんだよね。」といって、某予備校で、レベルの低い「基礎古文」という講座を受講していました。3か月後、彼は、京都大学経済学部に合格しました。

 

現代は、あまりに情報が氾濫して、何が正しくて何が正しくないかわからなくなってしまっています。学校の先生でさえも、その情報に振り回されて、むやみやたらに、問題集を大量に与えたり、解説もしないのに、宿題を大量に出してしまったりしている例が少なくないようです。

 

学校にも、教材販売業者から教材の見本が多く送られてくる。「この問題集もいいな、あの教材もいいな。」と、各教科の先生が、自分の担当している教科のことのみ考え、副教材を多く採用してしまう。

一方、生徒の方も、たくさん教材があった方が、安心する。

親の方は生徒よりももっと、教材があれこれたくさんあった方が、安心する。その結果、生徒には、こなしきれない大量の副教材が与えられることになる。

購入したからには、使わなくては、批判を受ける。でもこれだけ多くの教材を生徒に説明したり添削してあげたりするのは無理。だから、先生は、宿題にする。各教科で、それぞれ多くの宿題が出る。

だから、一日にこなす宿題の全体量が多くなる。普通にやっていたらこなせないので、何も考えずに、答えを写すだけで、終わってしまう。答えを写すだけでも、大変なので、宿題を終えた後は、勉強をやった気になってしまう。そして、先生に宿題を提出する。でも、そんな大量の宿題を、クラスの生徒全員分、丁寧に、チェックする先生など、めったにいなくて、チェックのハンコを押して、終わり。「あとは、解答・解説をみてね」で終わり。

提出物が返却されてきても、それを復習する時間がない。次の宿題がまた大量に出ているのだから。

冷静に考えてみて下さい。

これでは、大学受験において、成績がアップすることが、限りなくゼロに近いことは、お分かりでしょう。

「成績が劇的にアップする方法」は、私が開発した方法でもなく、だれかエライ研究者がいて、その人が見出したものでもなく、一部の難関大学に多数輩出している中高一貫校などで、当然のこととして実行されていることなのです。

でも、それらの情報は、きわめて少数の人にしか知られていません。残念なことに、地方にお住まいの方は、たとえ、進学校に通っていたとしても東京や大阪の私立中高一貫高校出身者の親戚や友人が、身近にいない場合が多い。

だから、そのようなトップの高校で、本当に実際、何が行われているのか、さっばり分からないわけです。

 

その方法とは……簡単にいってしまいましょう。

自分にとって、標準的あるいは、やや易しいレベルの問題集をスミからスミまで完璧にやる。

 

それだけです。

もっと、具体的に言うと、予備校で授業を受けている場合は、予備校のテキストの復習を完壁にするだけ。

信じられないかもしれませんが、それだけなのです。

 

超有名私立進学高校や、有名大学に多数合格している高校ほど、極めて標準的な問題を、極めて丁寧に、オーソドックスにこなしているのです。

それなのに、なぜ、それを、実行している人がほとんどいないのでしょうか。それは「不安」だからです。

「こんなに少なくていいのだろうか?」「こんなに簡単な問題ばかりでいいのだろうか?」

もう一つの理由は、大学受験用の参考書、問題集の解説は、意外に不親切で、分かりずらく、いくら標準的な問題集であっても、自分でやるのは限界がある、ということです。

 

事実、センター試験の過去の問題集は、書店へ行くと、実に様々なものが売られています。それでも、いざ解こうと思えば、解答を見ても、良く分からないものが少なくなく、大学受験のレベルの問題を、深く理解しようと思っても、自分ひとりでは限界があるのです。

 

一方、詳しい解説のついた問題集を買ってくると、逆に説明が多すぎて、どこがポイントなのか、良く分からなくなってしまうわけです。

これらのことを、私は、普段の授業の中で、つねに、具体例をあげながら受講生に伝えています。納得した人から、実行していきます。そして、実行した人は、確実に、成績が大幅に上がります。日の前で、そういう人を見ると、それに影響されて、実行する人がさらに多くなります。単に上がるのではなく、「大幅に上がる」のです。

ところで、ちょっと余談になりますが、東大出身者と、無名大学出身者の大きな違いは何でしょうか?

 

ズバリ「劣等感」なのです。たとえば、ある会社に就職したとしましょう。

同じく入社したA君は、東大出身、B君は、無名大学出身。失礼ながら、あなたがB君だとしましよう。仕事振りを一度も見ていないのに、B君は勝手に「スゴイ」と思うのです。つねに、A君を意識して、仕事をするようになります。ちょっと分からないことがあっても、「分からない」となかなか認めることはしません。

一方、A君は、少なくとも「劣等感」はありません。だから、分からないことは、「分からない」と言う余裕があるので、きわめて素直な傾向があります。

分からないことを、索直に認めて、人に聞いて、つぎつぎと解決していくのでどんどん仕事を覚えていきます。だから、仕事が出来る、と思われることが多いのです。大学に行かなくたって、劣等感を持たないで、バリバリ仕事を

している人もいて、そういう人にとっては、学歴なんて関係ないでしょう。でも、多く人は、そこまで精神的にタフでありません。

 

これを、大学受験に当てはめるとどうなるでしょうか。

東大合格者を毎年、100人以上輩出している高校は、少なくとも、周囲に劣等感は持っていません。先生も生徒も。(もっとも、本当のトップの所に行っている人というのは、優越感も持っていないことのほうが多いのです)だから、「平気で」易しい問題集をやったり、基本的なことも、「わからない」と「平気で」言ったりする。

先生も、わかりやすく、出来るだけ基本的なことにしぼって授業を行います。

一方、そうでない進学高校では、その逆なわけです。だから、難しい問題集を何冊も購入したり、たくさんの問題集や参考書をやろうとしたりするのです。

先生も、生徒も、一部の予備校も。

その結果、悪循環に陥るわけです。地方の進学校の熱心な先生ほどこのワナに陥りやすい。「今年、あれだけ問題集をあたえて、沢山やらせたのに、これだけしか大学に合格していない。来年は、もっと多く問題をやらねば……どと、誤った方向に進んでしまう。

先生も、生徒も、良質な問題をじっくりと丁寧に解いていくょりも、沢山の教材が日の前にあったほうが、安心してしまうのでしょう。

毎年、予備校の教室や、夏の合宿などで、全国の受験生と接していると、そのことを手にとるように感じます。というのも、何を隠そう、この私は、はるか離れた田舎から、予備校に通うために、東京に行った際、カルチャーショックを受けたのです。私が紛れ込んだ、某予備校の東大クラスには、東京のK高校をはじめとする私立難関中高一貫高校の人も多くいました。

「えっ、こんなに、基本的なことをやっているの?」

と当初は驚いたものです。

その頃の私は、難問がたくさん入っている月刊誌や、某通信添削など、難しい問題ばかりやっていました。それに比べて、彼らがやっているのは、基本的なことや、基本的な問題集(しかも薄い)ばかりです。難しい問題は、明らかに私のほうが解けました。

しかし、模擬試験では、彼らは、確実に偏差値が高い。 一方、私は、難しい問題が出来ても、標準的な問題のケアレスミスで、得点を失ってしまう。結局、答案の書き方が曖味であったり、基本的な問題でもケアレスミスをしてしまったりすることなどが原因で、彼らの偏差値には及びませんでした。

彼らに共通していることは、劣等感がまったくないということです。別に、優越感を過剰に持っているわけでもありません。だから、分からないことは分からない。難しいものには、手を出さない。基本が大切。基本は完璧。

予備校で言われたことを素直に実行していき、それを復習することに集中して、ほかのことは出来るだけやらない。

東大だろうと、医学部だろうと、同じなのです。

ちょっと冷静に考えてみれば、当然なのかもしれません。

想像してみて下さい。高校に入学の時から、教科書以外の参考書、問題集が数多く与えられる。自分で購入したものや、学校で共同で買ったものもあります。

「この問題集の問題なら、どの問題もほぼ完璧に解ける。」

「この単語集の単語や例文の英文は、ほぼ完璧に理解している。」

と、自信を持って言えるものが何冊あるでしょうか。

ひどい場合は、半分くらいしか解かないまま、次の新しい問題集をやるという悪循環に陥っていることもあるでしょう。英単語集など、1冊あれば十分なのに、学年が代わるごとに、あるいは、英語の担当の先生が変わるごとに、「この英単語集がいい」といわれる。

そのとおりにしていると、手元に英単語集が5冊もある、という状況になってしまう。しかも、「9割以上は、完全に覚えました」と、自信を持っていえる単語集が一冊もない、という状況に陥る。

これを早急に見直すことが、成績を上げる第一歩なのです。

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