あとがき

あとがき

 

大学受験で必要なことは、「自分で考える」こと。「自分で考え、理解した上で」暗記することが大切なのです。大学受験を通じて、私はこのことを痛感しました。

次のようなことを聞いたことありますよね?

 

「ここはよく出るから暗言己するように。」

「この単語は覚えなさい。」

「小テストするからちゃんと覚:えてくるように。」

私も、高校時代、一日に一回は必ずといっていいほど、聞いたような気がします。たぶん、皆さんもよく聞いていることでしょう。

学校での小テストや定期テスト。テストだから、勉強しなければ点はとれないし、学校の成績に関係あるので、必死になって覚えますよね?ノートに何回も何回も書いたり、下敷きで隠して覚えたり、友達とクイズ形式にして覚えたり。きっと、皆さんも、私の高校時代と同じようなことをしているかもしれません。

学校の定期テストは、試験範囲が限られているし、先生もいろいろとヒントをくれるので、的を絞って勉強できて、暗記もしやすいものです。私の場合は、まず、先生が授業中に「ここ大切だから」とか、「ここはよく出る」といった部分を、完璧といっていいほど暗記しました。そして、授業でやった問題を、繰り返し解いたり、教科書に出てきた単語や文法を、ひたすら覚えたりしたものです。

でも、今、振り返ってみると、それ自体は、大学受験での得点カアップにあまり関係なかったような気がします。それは、きっと、単なる丸暗記だったから。

考える事は、あまりしないで、とにかく暗記暗記。数学なら、計算過程で、よく分からないところがあっても、「とりあえず」丸暗記してしまえば、それとそっくりの問題が定期テストに出るので、覚えたままを書けば点になる。英語にしても、英文の構造が分からないとか、文法事項など正確に理解していなくても、とにかく、教科書の「訳」、しかも、教科書ガイドに載っているような「意訳」を、とにかく丸暗記して定期テストに臨めば、かなりの得点が取れる。

でも、これは、今になって考えてみると、考えることを要求する大学入試には、ぜんぜん、役に立っていなかったと思うのです。さらに、もっと悪い事がある。よく理解していなくても、九暗記で、高得点を取ってしまうと、「私は、英語が得意だわ!」なんて、勘違いしていたときもあったような気がします。それは、大学受験にはむしろマイナスだったかもしれない!

テスト直前に丸暗記した学校の定期テストの内容は、1~2週間もたてば、すっかり忘れてしまっていたように思えます。ただ、日の前のテストのための詰め込んだ知識だったので、日の前のテストが終わると、すぐに忘れてしまったのでしょう。

しかし、定期テストのため、というよりも、日常、勉強している中で、たまたま、疑間に思う箇所が出てきたことがありました。定期テストのためというわけではなく、単純に疑間に思って、自分で必死に考え、それでも分からないところがあつて、 くやしくて、先生に聞きに行き、そして、理解したところは、今でも覚えていますし、受験の時も、確実に点になりました。

でも、学校のテストのために、あまり考えないで、ただ覚えたことは、実際、大学受験の時、点にはならなかったのです。

それは、なぜでしょう?

今になって、考えてみると、きつと、『自分でよく考えて、理解して、覚えたのか、あるいは、よく考えないで、とにかく、九暗記したのか』の違いだと思います。

 

自分でよく考えることの重要さ

 

大学受験を終えた者として、今、このことをみなさんに伝えたい。いわれてみれば、当たり前のことです。しかし、自分でよく考える機会よりも、こなしきれないほどの多くの教材を与えられ、多くの宿題が出て、定期テストが絶え間なくやってくる。

そんな環境に身をおくと、考える事よりも、よく考えないで、「ただひたすら処理する」ことに、終始してしまうのも仕方がないのかもしれませんが、今、そのことを後悔しています。

分かりやすく言えば、 3冊の問題集を一通りやるよりも、 1冊の問題集を丁寧に、よく考えて、 3回繰り返したほうが、大学受験には、効果があるということです。私も、その事に気づいたのが、大学入試本番の2か月前。皆さんは、基本問題が、完壁に出来ないくせに、応用問題に手を出していませんか?それが解けなくて、いつまでも悩んで、貴重な勉強時間を、無駄にしてはいませんか?

こう言っている私が、まさにこのタイプでした。悩んでいる間に、もっと基本問題を完壁にしておけば、きっと、受験のとき、もうちょっといい点数がとれたハズって、考えると……。

私は、この『基本が大切』ということの重大さに気づくのが遅かったので、だいぶ時間を損しました。今でもそれが悔しいです。

最近の過去間から、分かるかもしれないけれど、丸暗記していれば得点になるような問題って、出題されなくなってきていますよね?内容を十分に理解しないまま、ただ、単語集などを暗記した人は、得点できないように、練りに練った問題になっています。古文にしても、九暗記した古文単語の意味が、ズバリ出るような問題は、最近はみられない。出題者のほうも、きっと、市販されている参考書や問題集を、事前に、研究しているのでしょう。ただ丸暗記していても、理解していなければ、かえって、引っかかってしまうような問題も多くあります。

こう言っている私だって、「なんとなくコレかな?」とか、「たぶんコレ」って感じで選んだ答えが多かったから、最初は、思うように点が取れませんでした・…・0。特に、センター試験の英語の長文。本当に細かいことまで聞いてきますし、微妙にひっかけ問題だったりするので、内容をよく理解していないと、見事にひっかかったりしてしまいます。

 

ひっかかりたくなかったら、内容をよく理解すること!

 

ひっかからない、ケアレスミスを防ぐためには、普段の問題i寅習のときから、自分で深く考えて、問題一つ一つを丁寧にこなしていく事が必要なのです。

たとえば、 1日10個ずつ英単語を覚えよう!って計画する。でも、実際は全部暗記なんかできなくて、途中で挫折してしまいますよね……。もちろん、中には一冊ぜ~んぶ完璧に覚えてしまう人もいるかもしれない。暗記が得意な人ももちろんいるからね。 でも、心配無用。そういう人は、ごく僅か。私は、ほんとに、暗記が苦手でした。でも、一生懸命覚えました。けれど、どんどん忘れていきました。だから、英単語集が、受験のときに、直接、点になっていたかどうかは、疑間です。結局、きちんと、大学受験まで覚えていたものは、問題を解いているときの英文に出てきたものだけだったような気がします。

問題を解いていて、そこに出てきた単語は、なぜか、覚えているのです。今振り返ってみると、それは、やはり、「良く考えていたのか、ただ九暗記していたのか」の違いだったような気がします。

想像してみてください。

問題を解いていて、分からない単語が出てきたら、皆さんはどうしますか?

英文の流れから推測したり、自分で辞書を使って、調べたりしますよね?

その行動=あれこれ考えている=よく考えている

のです。

答えを見て、ただ写すだけでは頭に入りません。自分で推測したり、考えて理解したりすることに意味があるのです!

暗記科日といわれる、理科とか社会にしても、ただ暗記しただけでは、センター試験で、高得点はとれません。ただ単語の意味を答えたり、年代を答えたり、穴埋め問題みたいな、やさしい問題が、大学入試に出題されることはまずありませんから。ひっかけ問題が多いので、単語1つにしても、細かい意味まで理解していないと、見事にひっかかってしまいますよ。そうならないためにも、正確に理解することが大事。

大学受験を終えて、私は「よく頑張ったな」と、自分で思う一方、勉強のやり方を、いかに考えていなかったかを感じます。この書籍を編集していて、誤字や、字数調整、校正のために、何度も何度も、読みましたが、読むたびに、「確かにそうだなあ」と、自分が高校時代、いかに、効率悪く勉強していたかを痛感しました。「この本と、高校時代に、もし出会っていたら……ずいぶんと、得していただろうな。」と思います。

第一志望合格に向けて、真剣に、大学受験勉強を頑張っている皆さんは、今、とてもツライと思います。大学進学を考えていない友達は、学校の授業がない時、とても楽しく遊んでいるでしょう。あるいは、中には、「推薦」のほうがラクなんだから、そんなに頑張らなくていいじゃない、という人もいるでしょう。少子化の今、定員に満たない大学も少なくないから、ラクに大学に入る方法は、たくさんある。

でも、そんな人を横目に、あなたは、今、真剣に頑張っています。どれがいいのか、どの選択が賢いのか。それに対する答えはありません。自分の人生なので、決めるのは自分です。

この本を最後まで読み通したあなたは、きっと、あえて、大変な道を選択し、大学受験に真剣に励む、志の高い受験生です。一度、決めた目標は、あなたの強い意志で、達成できるように頑張りましょう。少なくとも、志が高く、頑張っていること自体、無駄になるはずがありません。それどころか、「あのとき、本当に頑張ってよかった」と思える時期がくるのは、間違いありません。

私自身、今現在も、受験勉強自体が、意味のあったものなのかどうかは分かりません。たしかに、数学の難しい公式は、大学に入ってからは、ほとんど使わないし、古文や漢文などは、受験勉強以降、お目にかかっておりません。受験勉強で得た知識自体は、役に立っているのかどうか、今でも、疑間です。

でも、少なくとも、日標に向かって、役に立つかどうか分からない受験勉強を、やりたいことも我慢して、ひたすら真剣に頑張っていた事は、私の人生において、とても、プラスになっていますし、これからも、プラスになるような気がします。

だから、今、大変でも、喜んで立ち向かう。

受験を終えた後、「やれることはやった」という、達成感を得られるし、心から「頑張ったな」と思えるのです。それは、その後の「自信」に繋がります。

この気持ちは、忘れないものだし、大学受験が終わった後も、あなたを励ましてくれることでしょう。

ですから、「第一志望合格」という目標に向かって、頑張りましょう!その「頑張り」が、あなたの一生の財産になることでしょう。

皆さんが笑顔で春を迎えられることを、心から願っています。