ロッケー式の理論

ロッケー式英文読解法でなぜ、英文がスラスラ読め るようになるのか?
日本語であれ英語であれ、人間が使う言語の文はすべて、ただ単語をつらつらと並べただけでできているのではありません。
文には一定の構造があります。 例えば、次の文を読んでみてください。

太郎は花子が描いた絵をそっと机の上に置いた。

この文の意味を理解できる人は、
①絵を描いたのは花子であって、太郎ではない
②置くという動作をしたのは太郎
③「そっと」したのは「置く」という動作であって、「絵 を描く」という動作ではない、

というようなさまざまなことを無意識のうちに理解していることになります。

このような情報は単語の意味から読み取っているのではなく、文の主語は何か、どの語句がどの 語句を修飾しているのか、
といった文の構造を理解してい るからこそわかるものです。
文の意味を理解するにはこのような大まかな文の構造を捉えるということが、まず第一に必要です。

文のだいたいの構造がわからなければ、いくらひとつひとつの単語の意味がわかったとしても、文の意味はわかりません。
日本語は、「は」「を」などの助詞で主に文法的 な関係を表しているので、それらを除くと、次のように言ったとしても、
誰が何を描いたのか、何をどこに置いたのか、さっぱりわからなくなります。

太郎 花子 描いた 絵 机 上 そっと 置いた。

それでは、文の意味がわかるためには、最低限どういう情報が必要なのかを、
右の文を例にして少し詳しく見ていきましょう。

文の大まかな構造で一番基本的なのは、文は すべて主語と述語に分かれるということです。

右の文では「太郎は」が主語で、「花子が描いた絵を机の上に置いた」が述語です。

ここでは、主語を四角で囲んで表示しておきます。

太郎 花子 描いた 絵 机 上 そっと 置いた。

次に、述語の内部構造が問題になります。

述語の核にな るのは動詞ですが、それぞれの動詞によってどのような種 類のものを目的語や主語にとるかが決まっています。
例え ば「置く」であれば、《置くという動作をするもの》、《置 かれる対象》、《置かれる場所》(日本語の場合、「太郎 は本を置いた」という文も普通に使えるので、《場所》は 必ずしも必須ではありませんが、英語の「put」はこの3つ のものが必須です)というような3種類のものが必要です。
「走る」であれば、《走るという動作をするもの》1つ だけ、「食べる」であれば、《食べるという動作をするも の》と《食べられる対象》の2つが必要です。このような、

動詞が文になるために必要なものを専門的には「項」とい い、「食べる」は2項動詞、「走る」は1項動詞などと言いま す。ようするに、「走る」の場合、「太郎は」を項として とれば「太郎は走る」という文になりますが、「食べる」 の場合「太郎は」だけではだめで、「リンゴを」などもう 一つ項をとれば、「太郎はリンゴを食べる」という文がで きるということです。ここでは便宜的に「置く」は英語の 「put」と同じく3項動詞と考えておくことにします。
述語の構造でまず注意する必要があるのは、「項」とそ れ以外のものを区別するということです。上の文では「置 く」が3項動詞なので、「太郎は」と「花子が描いた絵」 と「机の上に」が項だということになります。 「そっと」のような修飾語は「置く」という動作をより 詳しく説明しているだけなので、別に無くても文としては 成立します。 ここでは、主語以外の項にはアンダーラインを引いて、 修飾語はかっこで囲むというように表示します。これだけ でもかなり文の意味はわかるようになると思います。
太郎 花子 描いた 絵 机 上 (そっと) 置いた。

次に、項にも内部構造があります。「太郎が」のような 場合はこれ以上分析する必要はありませんが、「花子が描 いた絵」のような場合、これ全体としては「置く」の項に なっているけれども、「花子が描いた」が「絵」を修飾し ているという関係になっています。 日本語の場合、ある名詞を修飾する場合、その名詞の前 におけばいいだけなので、簡単ですが、英語の場合、関係 代名詞節や不定詞句が登場するので少し複雑になります。 ここでは修飾関係を表すために四角かっこで表示しておき ます。
太郎 [花子 描いた] 絵 机 上 (そっと) 置いた。
これだけの情報があれば、この文の意味は理解できるよ うになるのではないでしょうか。「置いた」の主語は「太 郎」で、置かれた対象は「絵」で、その絵は「花子が描い たもの」で、置かれた場所は「机の上」で、どのように置 かれたかというと「そっと」だということがわかります。
このように考えると、日本語でも英語でも、基本的に文 の意味を理解するためには、主語と述語の区別、動詞の項 とそれ以外の要素の区別、修飾関係、これらのことが文の

意味を理解する上で、最低限必要な情報だということがわ かります。 ここで述べたことは、日本人であれば、日本語を理解す るときには、無意識的に行っていることなので、あたりま えだと思うかもしれませんが、同じことは英語を理解する ときにも言えます。 学校の英語の授業では往々にしてSVO,SVOCのよ うな5文型を細かく教えていますが、文法が好きな人なら いざ知らず、英語を読むために必要な最低限の文の構造と いう観点からは、この単語が〇なのかCなのかというよう なことに頭を煩わせる必要はありません。不必要な文法用 語に惑わされずに、本質的に必要な情報だけに集中すると いうのは、ロッケー式英文読解法の優れた特徴です。
ここでは、理論的な観点から言語の構造についてお話し ましたが、この理論は、英文をすらすら読めるようになる ためには、理解しなくても構いません。
ロッケー式英文読解法をマスターするには、あまり余計 なことを考えずに、ロッケー式の授業を行う先生の授業を 良く聞き、6つの記号を無意識につけられるようになるこ とに集中することです。

 

 

 

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